データ2004年1月
スキージャンプ日本勢 前半ハイライト!!
日本ジャンプ陣、反撃開始!
長野五輪で世界の頂点に立った日本ジャンプチーム。しかし、2002年のソルトレーク五輪では惨敗。2年後のトリノに向かって、反撃体勢は整うのか。
日本ジャンプ陣、反攻の明るい兆しはエース葛西紀明の復活だ。
葛西は92年のアルベール五輪から日本のエースでありながら、五輪、世界選手権で実力を発揮できなかった。しかし、去年イタリアの世界選手権でメダル3つを獲得。選手権に縁のない男のレッテルを返上した。今シーズンW杯での表彰台こそまだないが、いつ表彰台に乗ってもおかしくない内容。遠征から帰国し参戦した札幌のラージヒル3連戦を3連勝で飾った。
【2003/2004シーズン序盤サマリー】
<W杯>
今年のジャンプチームジャパン、W杯遠征は葛西紀明、宮平秀治、船木和喜、山田大起の4人でスタート。ベテラン原田は○年ぶりに国内でシーズン開幕を迎えることになった。
昨シーズン世界選手権の3種目総てでメダルを獲得(個人銅2、団体銀)した葛西は表彰台こそ僅かなところで逃しているが、欧州ジャンプ週間で5位1回6位2回の総合8位。世界と互角な戦いを見せている。
しかし、山田、宮平、船木のいずれもジャンプ週間終了後ランキング30位前後と苦戦。個別には船木は個人戦16位(第2戦、第5戦とも)が最高でポイントを上げたのが3試合のみ。昨シーズン総合で日本勢トップ(11位)の宮平は個人第5戦で10位に入ったものの予選落ちや1回目カットが目立ち4試合でしかポイントを上げていない。山田は細かくポイントを上げているが第2戦の10位が最高。ソルトレーク代表を掴み取った2シーズン前の勢いはまだない。
<C杯>
コンチネンタル杯遠征は伊東大貴、高野鉄平、東輝、岡部孝信の4人でスタート。
W杯をPGAに例えるなら、コンチネンタル杯はネイションワイドツアー(嘗てのナイキツアー、バイコムツアー)もしくは、Qスクールとでもいうべきか。W杯昇格を目指して世界の有望な若手がしのぎを削る。一方で若手に混ざって最高の舞台復帰を狙って戦う嘗てW杯で活躍した歴戦の強者の姿もある。
日本の4人も若手とベテランの組み合わせとなった。将来を嘱望される若手は伊東、高野の2人。再び世界を狙う東、岡部は98年の長身選手に有利といわれるスキーの長さに関するルール変更で不利をこうむった2人である。
ベテラン東と高校生の伊東はコンチネンタル杯で優勝。東はジャンプ週間でW杯選手に昇格。伊東もW杯地元大会を前に昇格を決め、チャンスをものにした。東は板が短くなった不利を数年かけて克服、遠征メンバーに入らなくとも一昨年あたりから国内大会で踏ん張り、遂に昨年世界選手権代表に返り咲き、団体銀メダルに貢献した。
一方、高野は遠征先のトラブルで年内に早々と帰国、建て直しを図ることに。岡部は年末のスイスシリーズで8位、7位と連続シングルで復調を伺わせたが、C杯の中でも30位以下に沈むこともあり、フラストレーションのたまる試合が続いている。
<国内>
国内は金子祐介の名寄2連勝で開幕した。今季はC杯であっても海外遠征スタートの心積もりが叶わなかった鬱憤を晴らす。
五輪代表経験の原田、吉岡、昨シーズン、コンバインドから転向し大ブレークした一戸ら国内残留組の中での格上、実力者と見られる各選手は優勝争いをするが、「やはり」「断然」と周囲を唸らせるほどではない。
そんな中で、新しい風を送り込んできたのが、大学生の梅崎慶大と、スランプを脱した西下和記。そして、海外デモドリ高野の3人。遠征組み不在とはいえ梅崎は札幌開幕戦で優勝、その後の札幌コンチネンタルでもポイントを挙げ、開催国枠ながらW杯札幌大会出場権を得た。長野・大町高校から明大。高校1年、2年では世界ジュニア日本代表。当時、スーパー高校生といわれた仲村和博、西下和記らと団体でメダルを獲得した。
そして、台風の目は西下。社会人2年目あたりから極度の不振に陥っていたが、今年は表情も明るく、五輪記念では日本人トップの4位。HBC杯準決勝では船木を破る金星も。冗談が飛び出すほどの好調さ。
高野も大倉開幕戦1回目トップ。HBCではW杯メンバーに昇格した東を撃破。決勝でも快ジャンプを披露し2位となった。
国内大会に合流した遠征組みは、葛西が断然の力を証明。出場した大倉山3戦すべてで優勝。東も試技も含めてすべて130前後のフライト。インスブルックで12位に入っているが、3回に1回出るというミスがなくなれば、その上も狙える感触を掴んでいる。意外だったのが船木。成績だけで不振と思っていたが表情が明るい。フィンランドのアリペッカ・ニッコラをコーチに迎え、新しいジャンプに取り組んでいる。ジャンプ改革によって子どもの頃からなじんできた大倉山までまったく違って感じるという。自己のジャンプ変革の実感、STVで掴んだトップレベル返り咲きの予感。すべてが、新鮮でうれしい、成績がまだついてきていないのは途中経過だから気にならないと語っている。取材陣泣かせだった山田もコメントは快調。大倉3連戦では、「もうちょっと待ってください、白馬、札幌(W杯)までに何とかしますから」、「W杯組みで情けないジャンプしていると怒られますから」、トーナメントのHBC杯では「(1回戦の相手)原田さんが言っていたように組み合わせに助けられました」などとコメント。そのHBC杯では「札幌で飛ぶのはヨーロッパでやってみたいなアウェーの感触ですね」とも言いご機嫌だった。重症なのが宮平。風など不運の連続。マティリアルなど口外できない問題もあるが、全日本の田尾チーフコーチは、W杯までには戻るでしょうと話す。
さて、迎えるW杯ジャパンシリーズ、そして、大倉国内2連戦、どう展開してゆくのか!
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