第15回　2001年
2001北海道マラソン 2001/8/26　晴れ　レース中の最高気温32.0度　 真駒内屋外競技場発中島公園着片道コース　 完走男女計1767人

　千葉真子「新たなる旅立ち」優勝
　夏男・佐々勤、我慢の逆転Ｖ

　女子１万メートル、アトランタ五輪５位、アテネ世界選手権銅メダルメダリストの千葉真子はハーフマラソンでも驚異的な速さを示していた。ところが、マラソン転向後、ケガに苦しみ一時は引退を決め、所属チームを辞めた。
　２００１北海道マラソンは再び走り始めた「新生」千葉真子の披露の場、復活の場となった。
　大会当日は気温が上がりレースはスローペースに陥ったが、フロントランナーだった千葉はスローにも落ち着いてスパートの時を待った。３０キロを過ぎて給水を摂ると、世界を唸らせた天才の記憶が甦った。５キロあたり１９分近くにまで落ち込んでいたペースを一気に１７分８秒まで引き上げた。更に次の５キロも１７分３７秒。終盤に響く北海道でこれまで３０キロ以降の１０キロを３４分台でカバーしたものはいない。大会記録には及ばなかったが「格の違い」を感じさせる内容だった。
　「初めてマラソンをキチンと走りきったのではないのか？」。記者の問いかけにも、「きょうも１０キロだけのレースでした。マラソンはまだ分かりません」とケロリと応える。この日のゴールは千葉にとってはスタートに過ぎなかったのだろう。
　今年、松山千春さんがマラソン中継のためにイメージソングを書いてくれた。曲のタイトルは「新たなる旅立ち」。まさに千葉真子にとっても「新たなる旅立ち」のレースになった。それは僕らが空想したちっちゃな復活物語とはスケールが違っていた。

　京大時代の９７年が２位、９９年に接戦の３位。すっかり北海道マラソンの顔となった佐々勤がＺ・バヨに２度も引き離されながら辛抱の走りで３８キロ過ぎに逆転。念願の優勝、北海道３色のメダル総てを手にした。

　今回から新設された新人賞（２５歳以下でマラソン今回含め３回以下の競技者が対象）を受賞したのは男子が水口紀幸（大塚製薬）、女子は藤本絵美（資生堂）だった。今後の飛躍を期待する。